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イラストは『シルバーレイン』『エンドブレイカー』の作品として、株式会社トミーウォーカーによって
作成されたものです。
イラストの使用権はベルジャ・ネーヨ(b37719)とベルナデット・ラフィット(c03871)に、
著作権は小咲とシロタ蕪に、
全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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イラストは『シルバーレイン』の作品として、株式会社トミーウォーカーによって
作成されたものです。
イラストの使用権はベルジャ・ネーヨ(b37719)に、著作権はみき冬麻に、
全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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暗黒流星百烈拳

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イラストは『シルバーレイン』の作品として、株式会社トミーウォーカーによって
作成されたものです。
イラストの使用権はベルジャ・ネーヨ(b37719)に、著作権はみき冬麻に、
全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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 深山の秋は、瞬く間に過ぎてゆく。
 真夏の陽光を貪るように生い茂っていた木々は葉を染め、生気を凝縮するかのように一時の実りをもたらす。
 厳しい冬を迎える前に、野の獣たちは豊穣の宴を謳歌する。
 年々歳々繰り返されてきた、季節の移ろい。

 何も変わらないはずだった。そう、その時までは。

 近くの集落に住む少女が、野山を分け入ってきたのは、ほんの偶然だった。
 とっておきの穴場だった野いちごの藪が、どうやら今年は何者かに先を越されたらしいのだ。
 少女が大切にしていた秘密の果樹園は、猪にでも荒らされたのか、無惨に食い散らかされていた。
 ひとしきり癇癪を起こした彼女は、いつもは足を踏み入れることのない山奥にまで、新たな穴場を探し求めていた。

 「山奥さぁ、バケモノが出るけぇ、入っちゃ駄目だぁ」
 お題目のように両親に言い聞かされていた注意を、微かに心中で思い起こしつつも、少女は足を止めなかった。
 どうせ、子供だましの嘘に決まっている。もう迷信を怖がるような歳じゃない。
 ざわざわという木擦れの音に軽く身震いしながらも、自分に言い聞かせるように歩調を強める。

 殊更乱暴に彼女が一歩を踏み出した瞬間だった。
 ふしゅるぅぅ・・・という呻きと、濃い獣臭が少女の首筋に絡みつく。
 動転のあまり前方につんのめり、落葉の中を這いずるようにして振り返った彼女が見たモノは、大人ほどの身の丈がある巨大な猪だった。
 否、只の猪ではない。
 猪ならば、なぜその下半身が昆虫のような甲殻に覆われているのか。
 野の獣ならば、なぜ狂気に染まった眼を血走らせているのか。

 なぜ、なぜ、何故?
 この世ならざる存在を理解することは、彼女には不可能だった。
 ただ明確にわかる事は、眼前の妖獣が小枝を踏み折るよりも簡単に、己の命を掻き消す事が出来るという事。
 そして、彼女の本能は残酷なまでに、獣から剥き出しの「殺意」を感じ取っていた。

 絶望。まさに絶望の二文字でしか表す事の出来ない状況。
 だが、彼女の心は、それをすんなりと受け入れられる程には達観していない。
 まだやりたい事はたくさんある。
 クリスマスには、念願だった自転車を買って貰えるのだ。
 お正月には、従兄弟たちが遊びに来る。都会暮らしを自慢されるのが癪に障るが、今年は雪だるまを作ると約束したのだ。
 それから、春には進学して。
 大きくなったら、街に出て・・・。あれ、これって走馬燈っていうヤツ?
 混乱する思いの中、彼女はただ一途に純粋に祈る。

 誰か・・・助けてっ!

 苦痛に身悶えするように身体を打ち振るわせた妖獣が、少女に鼻先を向けたその刹那だった。
 最初は微かな響き、だが確実に近づいてくる力強い雄叫び。
 猪の半身と蟻の半身を併せ持ったこの世ならざる化け物をも、怯え竦ませる。

 そして、一陣の赤い旋風が、轟音と共に舞い降りる。
 木の葉を吹き飛ばし、妖獣の前に立ち塞がるは、藍色の髪と赤いマフラーを風にたなびかせる一人の青年。
 「長きにわたる封印を超えて・・・」
 燃えさかる炎の如き両眼が、比類無き意思の力と共に見開かれる。
 「助けを叫ぶ願いに応え・・・」
 振りかざした両の拳に、紅蓮の火焔が大輪の花の如く噴き上がる。
 「赤腕赤手、七種燈迩。求めに応じ、只今参上! 」

 高らかに名乗りを上げた偉丈夫は、真紅を纏った拳を獣に振り下ろす。
 何の衒いも技術もない、だが渾身の力が込められた一撃。
 浄火の炎は、薄紙を燃やすかのように容易く、妖獣の呪われた思念を無へと解放してゆく。

 ふぅと一息をついた青年―七種燈迩は、彼の背後で震えている少女を振り返った。
 その顔には、つい先ほど妖獣を屠った男とは思えない、人懐こい笑みが浮かんでいる。
 人好きのする爽やかな男だ。
 「お嬢さんが、俺を呼んでくれたのか」
 そう言うと、燈迩は少女に手をのばし、にっと笑った。
 「立てるかい、もう安心していいよ。・・・さて、それはともかく何年くらい眠ってたのかな」
 独りごちる燈迩だが、少女は硬直したままだ。
 「安心・・・といっても無理もないか。大丈夫、俺がついてるよ」
 少女の心を解きほぐそうと、燈迩は一歩踏み出す。
 そのとき、少女の口から絶叫がほとばしった。

 「変態ーっ!! 変態! 変態! へーんーたーいー!!!」
 真っ赤なマフラーだけを身に纏い仁王立ちする、燈迩の精悍な肉体から必死で目を背け、その場から駆け出す少女。

 七種燈迩、700年の眠りから目覚める。
 特製のマフラー以外の衣服は、そのとき跡形もなく朽ちていた。



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プロフィール
HN:
ベルナデット・ラフィット
年齢:
25
性別:
女性
誕生日:
1999/02/14
職業:
学生
自己紹介:
イラストは『シルバーレイン』の作品として、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
イラストの使用権はベルジャ・ネーヨ(b37719)に、著作権は紅茶に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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